熊野古道星空ガイドのブログ

「海辺の熊野古道」和歌山県みなべ町で星空ツアーを開催するStar forestのブログです。

テカポから見る南半球ならではの星空

こんにちは。テカポ星空ガイドの角田です。今日はテカポから綺麗に見える南半球ならではの星空をご案内していきたいと思います!

 日本からは見えない星が見える

私が住んでいるテカポからは、日本からは見えない範囲の星空が見えます。具体的には、テカポ(南半球)から見て南の方角。これらの星々は、日本からすると南すぎて水平線から上がってこない星々で、南天の星空と呼ばれています。同じ理由で、日本から見て北の方角にある天体、北斗七星やカシオペヤ座などはテカポからは見えません。

皆さん一度は聞いたことあるかもしれない星「南十字星」も南天の星の一つです。ただ、南十字星に関しては実は日本からも見える場所があります沖縄本島からずーーーっと南に下った場所にある離島では、五月上旬ちょうどGWの時期に水平線からチラッとだけ南十字星が上がってくるそうです。 

ただ、テカポでは南十字星は地平線に沈まない星なので、1年365日(雲さえなければ)南十字星は見えます。是非是非、本場の南十字星を見に来ていただければと思います。

 

三つの十字架

実は南天の星空には南十字星以外にも、十字架の形をした星の集まりが2つあります。一つは「ダイヤモンド十字」、もう一つは少し不名誉ですが「ニセ十字」と名付けられています。これらの十字にも名前が付けられているには理由があります。

NZの先住民族マオリ族の人たちは南十字星を使って方角を見つけ出していたと考えられています。十字架の頭と足を結び、ずーっと伸ばした先にあるのが天の南極です。この天の南極の位置が真南の方角を示しています。

このように、南十字星は方角を知る手掛かりとなる大事な星なので、その近くにある十字架の形をした星の集まりと混同しないように、ダイヤモンド十字・ニセ十字にもわざわざ名前を付けました。

特にマオリ族は元々はポリネシアの人たちなので、彼らは船を漕いでこのNZの大地に到着しました。夜、船を漕ぎながら方角を知る手掛かりになるものは星しかありませんでした。夜海の上で方角を見失うことは、死活問題に関わってきますので、彼らにとって南十字星はとっても大事な星だったのです。

今でも、NZの国旗を見てみると赤色で4つの星々が描かれています。これは南十字星を示しており、NZの人たちにとっては国旗にのせるぐらいこの星は大事な星だというわけです。

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南十字星の探し方

先ほどご案内した通り、テカポからだと南十字星は1年365日毎晩見ることができます。しかし、ずっと同じ位置にあるかというとそうではなくて、時間とともにどんどん移動していきます。移動するにつれて十字架の向きもどんどん変わっていきます

時間とともに場所も変わるし角度も変わる、この南十字星ですが、NZにいる限り何時になってもどこからでも見つけ出す方法がちゃんとあります。この南十字星の探し方をご案内していきたいと思います。

まずは、基本ですが南の方角を向きます。なかなかNZに来ていきなり南を向けと言われても難しいかと思いますが、太陽が沈む方角をチェックしておいてください。日本でもNZでも太陽は東から上って西に沈みます。なので、太陽が沈む方角さえ確認しておけばそっちが西の方角です。西がわかれば90度左手の方角が南です!

次に、南の方角に明るく並ぶ2つの星を探します。この星はケンタウルス座という名の星座の中にある、ケンタウルス座α星とケンタウルス座β星です。ちなみに、ケンタウルス座α星は全天の星の中で3番目に明るい星なので、NZではどれだけ大きな街からでも見ることができます。NZ最大の街・オークランドの街中からでも見ることができました。β星のほうも明るい一等星なので、α星が見つかったらその隣にあるβ星もすぐに見つかると思います。

この2つの明るい星が見つかったら、αからβに向かって線を結びます。そして、この線をずーっと伸ばした先にある星が南十字星の頭にあたる星です。十字架の頭さえ見つかればあとは十字を描くのは簡単です。ちなみに、この頭の星は2等星です。右手と足の星が1等星、左手が3等星という構成になっていますので、左手の星は街中からだと少し見えづらいかもしれません。

なかなか文章だけだとわかりづらいので、下の写真を参考にしてみてください。

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私が撮った素人の写真なので、星は綺麗に見えませんが。。。南十字星を見つけ出す参考にはなるかと思います。 

 

その他の天体

十字架の話がかなり長くなってしまいましたが、南天の星空にはまだまだたくさん見どころがあります。代表的な天体が「マゼラン雲」です。大マゼラン雲と小マゼラン雲という大小2つのモヤっとした雲のような見え方がするこの天体ですが、正体はお隣の銀河です。

いきなり銀河と言われても、なんのこっちゃらわかりませんが、要はものっっっすごい数の星の集まりです。それも地球から15万~20万光年離れた先にある銀河から届く星の光です。20万光年と言われてもなかなかピンとこない距離だと思いますが、1光年が光が1年かけて進む距離、約9兆5000億kmです。なので、20万光年となると、20万×9.5兆km先にある銀河というわけです。説明すると余計わからなくなりそうですね。要は、20万年前に隣の銀河で放たれた星の光が、20万年かけてようやく地球に届いた様子を肉眼で見ることができるわけです!なんかスゴイ感じがするでしょ?

ちなみに、マゼラン雲という名前の由来は、世界一周航海を成し遂げたマゼランさんからきています。マゼランさんが南半球を航海中に、「いつ星空を見上げても同じ位置に雲がある」といった内容を航海日誌に書き残したことから、マゼランさんの名前が使われています。

他にも南天の星空にはいろんな星座がありますので、ぜひ南半球に起こしいただいてその目で確かめてみてください!星を見る上で気を付けることはこちらの記事で↓

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